空の際からくすんだオレンジに染まり、青い夜へとグラデーションが広がっている。
夜空は吸い込まれるような深い青のように見える。
パリッとほどよく空気は冷たく、歩くのが気持ち良い。
今日は素晴らしい秋の夜。
(ひとこと感想)
1.「目を見て話せない」
図書館で本を探していた時、自分のコミュ障を言い当てられたようなタイトルに、つい手に取ってしまった本。
コミュ障の男子大学生が主人公のミステリーだった。コミュ障エピソードがいちいち共感できて、ミステリーよりもそっちが面白かったかも。笑
良い友達に恵まれて羨ましい。
続編があれば、ぜひ読みたい。
2.「サラダ記念日」
名前は聞いたことがあったけど、読んだことのなかった本。
短歌って難しいんじゃないの?となんとなく思っていたけれど、良い意味で裏切られた。
意味が理解しきれない歌もたくさんあったけど、それは人生経験の不足かな?
他の著作も読んでみたい。
以下、好きな歌。
・「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ
・たっぷりと君に抱かれているようなグリンのセーター着て冬になる
・我という三百六十五面体ぶんぶん分裂して飛んでゆけ
・今日までに私がついた嘘なんてどうでもいいよというような海
・デッキにはそれぞれの風それぞれの話しかけられたくない時間
・シャンプーの香をほのぼのとたてながら微分積分子らは解きおり
・会うまでの時間たっぷり浴びたくて各駅停車で新宿に行く
・「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
・ワイシャツをぱぱんと伸ばし干しおれば心ま白く陽に透けてゆく
・なんでもない会話なんでもない笑顔なんでもないからふるさとが好き
3.「AX」
伊坂幸太郎さんの小説。腕のたつ殺し屋なのに、妻には頭が上がらない。そんな主人公がなんだか可愛い。サクッと爽快に読ませて頂きました!面白かった!
この本と「グラスホッパー」、「マリアビートル」の3冊が「殺し屋シリーズ」らしい。リンクしているらしいので、読んでみよう。
4.「寂しい生活」
原発に疑問を抱いて、電気の使用量を減らそうと、洗濯機や冷蔵庫を使わなくなる。自分も確かそうだったなぁ。
ずーっとこんな質素な生活をするのはもしかしたら苦しくなるかもしれないけど、基本はこれで良いと自分も思う。
5.「限界集落株式会社」
都会で働いていたエリートが、限界集落を農業ビジネスで救う小説。
「こんな上手くいかないっしょ」と何回もツッコんだけど、エンタメとして面白かった。勉強にもなる。
6.「マチネの終わりに」
映画化して、当時気になっていたけど映画も原作も見たことがなかった作品。やっと読んで小さな心残りを精算した気分。
もし主人公たちが20代だったら、また違う恋の結末を迎えていたのだと思う。
「もものかんづめ」
こんな風に、生活を面白おかしく捉えられたら、楽しいだろうなと思う。まぁ人によって性格は違うから、できなくても仕方ないし悪いことではない。
「生きるぼくら」
米作りをしてみたくなる。ニートの主人公には最初その弱さに共感したけど、人と全然上手くコミュニケーションできるし、普通に「喋れる人」で、残念(?)。
「死にがいを求めて生きているの」
初めて読んだ朝井リョウさんの本。「何かしなければならない」「何者かにならなきゃいけない」といった思いに駆られる若者の姿を描くのがめちゃくちゃ上手いな!と思った。もっと朝井リョウさんの本を読んでみたいと思った。
「何者」
自分にもあった(今もきっとある)若者の痛々しさを言い当てられた感覚。読後感気持ち悪い。(褒めてる)
就活をしない自分は、他人とは違う鋭い感覚を持っているんだと思ってしまったこと、あるかもしれない。
17歳の高校生たちの短編集。5人の高校生の視点で、5つのそれぞれの章で、それぞれの思いや悩みが描かれる。
自分が高校生だった時も、色んな子がいたけど、みんなそれぞれ悩んでいないように見えて、悩んでいたんだろうな、と思った。スクールカーストの「上」にいた、キラキラ見えたあの子たちも。
「ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと」
プナンという民族は、自分たちとは全く異なる価値観を持っている。自分がこれまで思ってきた「当たり前」は、全然当たり前じゃないのかもしれない。自分の生きる世界が苦しく思えた時、楽になれる本。
「クローバーナイト」
ママ友の世界、お受験の世界、入園できる保育園を探す「ホカツ」(保育園活動)の世界、など絶対知り得なかった世界を覗いた気分で面白かった。ただ登場人物がみんな裕福っぽく、かつそれが普通という感じで描かれているように感じ、そういう意味でも自分とは別世界だなと思った。